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第23回東海北陸作業療法学会・第32回石川県作業療法学会

学会長挨拶

東川 哲朗

第23回東海北陸作業療法学会
兼・第32回石川県作業療法学会

学会長 東川 哲朗
(社会医療法人財団董仙会 恵寿金沢病院)

 第23回東海北陸作業療法学会(第32回石川県作業療法学会)を石川県・金沢市で開催できる事を嬉しく思っています。開催に向け、種々の準備を進めており、オール石川で挑みたいと思っています。
 日本作業療法士協会は五か年戦略の中で地域共生社会構築への寄与、組織力強化を挙げています。地域共生社会の実現には、その地域で暮らすべての人々を対象に、地域における人と人のつながりを取り持ち、人と社会のつながりを創り出す作業療法が必要であり、これは作業療法の定義と合致するものです。この考えに基づく作業療法の理解と実践が求められています。その為の人材育成は重要な課題となります。本学会がその一端を担えればと考えています。組織力強化には将来の人材として作業療法学生との関わりも重要なものになります。本学会では学生の参加も幅広く受け入れると共に、また多くの参加を頂きたく学生参加のセッションも設けます。東海北陸地区の多くの作業療法学生が参加して意見交換できればと考えています。加えて生涯教育も含めた教育に関するセッションも設けています。職場の人材育成に関わる方にも有益なものになると考えています。
 さて、一方で作業療法士が置かれている状況はどうでしょうか。決して良い状況とは言い切れないと、やや悲観的に感じています。「作業療法はわかりにくい」と言われ、見える化の取り組みとして生活行為向上マネジメント(MTDLP)も開発されました。やっている実践は良いのに、なかなか、評価されない・・・そんなもどかしい思いをされている方が多いと思います。
 「作業の力を魅せつけろ」という挑戦的なテーマを掲げました。私事となりますが自身の性格を考えた時、この様なアグレッシブなテーマはできるだけ避けてきました。しかし、そうやって来たことが作業療法全体や若い作業療法士に対してはどうなのかと考えてみました。もっと先人の人が「作業療法の良いところ」「成果・効果」について自信を持った言葉で、アピールしてくれたら良いのにと思っている方もいると思います。私自身もこれまでの自分の殻を破ってみたいと考えています。皆さんの日頃の素晴らしい作業療法の実践を集める学会にしたいと思っています。
 公開セミナーは、作業療法の実践を経験された地元アナウンサーの塚田誉様を講師にお迎えして開催します。地元テレビ番組で県内各地を周られる企画にて人気を持つ方です。作業療法の良いところについて、いつもの軽妙な語り口でどの様なお話を伺えるか楽しみにしています。
 コロナ禍が明けたかどうか不透明な時期が続いています。本学会は参集型をメインにした開催を考えています。感染症の影響で色々な活動を自粛されていた方も是非、現地で参加頂きたいと願っています。学会は2024年9月の連休に開催されます。秋の石川・金沢は観光にも最適です。学会参加後は石川の観光・味覚をお楽しみ頂きたいと思います。その頃は北陸新幹線が福井県・敦賀市まで延伸されています。東海地区の皆様も北陸新幹線をご利用して足をお運び頂ければと思います。
 皆様のチャレンジング、日ごろの作業療法の紹介を存分にして頂きたく、会員一同、多くの皆様のご参加をお待ちしております。